健康を左右する「油」
賢く選んで味方に付けよう!②

前回の未来カラダLABでは、油は、選び方によって、カラダに及ぼす影響に、大きな差が出てくるということについて、ご紹介させて頂きました。

今回は、続編として、「おすすめの油」と「効果的な油の食べ方」、「油を摂取する際の理想的なバランス」について、じっくりお届けします。

チャヤマクロビ編集部では、健康的に長生き出来るかどうかの鍵を握っているのは、油だと考えています。油はまさに、カラダの潤滑油。カラダを動きやすくしてくれたり、ホルモンバランスを整え、肌や髪をつやつやにしてくれたり、その人の魅力を高めてくれるものだと考えます。

このように大事な油ですから、しっかりポイントをおさえていきましょう。

どんな種類でも良い訳ではありません。まずは、「油の選択」にこだわる必要があります。

そして油を、炒めるために使うのか、揚げるために使うのか、はたまた、そのまま生で頂くのか、摂取の仕方によっても、その効果は変わってくるので、「良質な油の効果を、最大限に引き出すための油の食べ方」について意識することも、重要となります。

更にもう一つ、日々意識することが難しいけれど、とても重要なこと、それは、「油を摂取する際の理想的なバランス」を保つことです。

この3つのポイントを押さえれば、とても充実したオイルライフが楽しめます。

まさに人生100年時代のQOL(Quality of Life:生活の質)は、私たちが、どんな油を選択するかにかかってきます。

【目次】
1.カラダに良いおすすめの油
 ①積極的に摂りたい油。
 ②摂取バランスが大事!
 ③普段使いにおすすめの扱いやすい油。

2.効果を発揮する油の食べ方
 ①そのまま生で
 ②加熱するなら(炒め物、揚げ物)
 ③要注意!「サラダ油」とは、どんな油?健康に悪い?
 ④脂肪が気になる方や、ダイエット中の女性におすすめ!

3.油を摂取する際の理想的なバランスとは

4.まとめ…My Best Oilを探そう!

 

 

1.カラダに良いおすすめの油

毎日でも摂り入れたい良質な油とは何か?未来カラダLABのおすすめの油をご紹介していきます。

油は、様々な脂肪酸で構成されています。より多く含まれる脂肪酸をベースに、その特徴分かれていきます。

油は、「飽和脂肪酸」「不飽和脂肪酸」「トランス脂肪酸」の3つに分類されますが、毎日摂り入れたい良質な油である「不飽和脂肪酸」は、さらに、「オメガ3・6・9」系に分類されます。

「オメガ3・6・9」系の違いや特徴について、見ていきたいと思います。

①積極的に摂りたい油。 【オメガ3系(多価不飽和脂肪酸)】

今回、一番おすすめしたい油が、こちらのオメガ3系の油です。

〇アマニオイル、えごま油、クルミ、生の青魚など

オメガ3系脂肪酸の特徴は、皮膚の健康維持を助ける栄養素とされています。また、中性脂肪の合成を抑え、血液をさらさらにしてくれます。他にも、アレルギーの抑制や、脳の活性、代謝アップなど、カラダに嬉しい様々な効果が期待出来ます。

オメガ3系脂肪酸は、体内で作ることが出来ないので、食品から摂取する必要があり「必須脂肪酸」と言われています。

しかし、オメガ3系脂肪酸を含む油は、身近にある油では無いため、意識をして、積極的に摂取する必要があるのですが、なかなか難しいため、現代の私達に不足しやすい油として、注目されているのです。

日々の生活の中に、オメガ3系の脂肪酸を上手に取り入れていくことが出来るかどうかが、ポイントになると思います。

青魚にも、オメガ3系の脂肪酸が含まれていますが、海産物が手に入りづらい海から離れた地域では、クルミ餅など、クルミを取り入れたメニューが豊富にあり、クルミから、オメガ3系脂肪酸を、上手に取り入れていたようです。魚が苦手な方や、ヴィーガンの方に、クルミはおすすめです。ぜひ、カバンに忍ばせて、持ち歩いてみては、いかがでしょうか。

②摂取バランスが大事!【オメガ6系(多価不飽和脂肪酸)】

ごま油、コーン油、紅花油、大豆油、菜種油、グレープシードオイルなど

オメガ6系脂肪酸は、血中のコレステロールを一時的に下げてくれる効果が期待出来るのですが、同じ多価不飽和脂肪酸のオメガ3系の油との摂取バランスが、とても重要となります。

オメガ6系の油も、オメガ3系の油と同様に、体内で生成出来ないのが特徴なのですが、一般的な油として幅広く販売されているため、過剰摂取になりやすく、また、オメガ3脂肪酸との理想的な摂取バランスが乱れてくると、アレルギー症状の悪化や、炎症が起こりやすくなるなど、カラダに良くない影響が出てくるため、注意が必要な油です。

 

③普段使いにおすすめの扱いやすい油!【オメガ9系(一価不飽和脂肪酸)】

オリーブオイル、米油、アボカドオイル、椿油など

生活習慣病の予防や、便秘解消につながるような、嬉しい効果も期待出来ます。

血中の善玉コレステロールはそのままで、悪玉コレステロール濃度を下げると言われています。

熱に強く、酸化しづらいという特色がありますので、いろいろな調理方法で使用が出来る扱いやすい油なので、普段使用する油としておすすめです。

さて、カラダに良いおすすめの油として、「不飽和脂肪酸」のオメガ3・6・9系の油をご紹介しました。気になる油はありましたでしょうか。

オメガ6系の油だけは、過剰摂取になっている方が多いと思いますので、ご自身の食生活を振り返り、過剰になっていると感じた場合には、オメガ6系の油を控え、代わりにオメガ3系の油で補うように心掛けてみることを、おすすめします。

そしてもう一つ、「不飽和脂肪酸」ではないのですが、おすすめの油がありますので、こちらで紹介していきたいと思います。

④脂肪が気になる方やダイエット中の女性におすすめ!【中鎖脂肪酸】

MCTオイル、ココナッツオイルなど

中鎖脂肪酸は、「不飽和脂肪酸」ではなく「飽和脂肪酸」の1つですが、体脂肪として蓄積されやすい長鎖脂肪酸に比べ、エネルギーになりやすく体に脂肪がつきにくいと言われている油です。

ココナッツの甘い香りを活かして、お菓子作りに利用してみたり、コーヒーや紅茶などに入れて頂くのもおすすめです。

逆に、ココナッツの香りが苦手という方には、香りがほとんど無い、MCTオイルがおすすめです。MCTオイルは、熱に弱いので、その点に注意して取り入れてみてください。

様々な種類のカラダに良い油があることが分かったところで、次に気になってくるのは、摂り入れ方、食べ方ではないでしょうか。

たとえば、加熱に向かない油があります。

特性を知らずに加熱してしまうと、大切な栄養素が壊れてしまうことになります。

せっかく、良質な油を摂り入れるのであれば、効果を最大限に活かしたいですよね。

それぞれの油の特性を、しっかり理解していきましょう。

 

2.効果を発揮する油の食べ方

油を摂取する際に気を付けたいこと、それは「酸化」です。

「酸化」に意識をしながら、「そのまま生」で摂る利点、はたまた「加熱」して摂る利点、それぞれを見ていきたいと思います。

そのまま生でオメガ3系とMCTオイル

積極的に摂取していきたいオメガ3系とMCTオイル

摂取の際に注意したい点が、非常に酸化しやすいので、加熱がNGということです。

加熱せず、生で摂取するのが最適なので、サラダのドレッシングや、カルパッチョやマリネのソースとしてお召し上がり頂くのがおすすめです。そのまま飲むのも良いと思います。

加熱(炒め物、揚げ物)するならオメガ6系・オメガ9系・ココナッツオイル

揚げ物や炒め物を楽しむ際は、油の大敵である「酸化」を最小限に抑える必要があります。

以下の2つのポイントに気をつけることが、とても重要です。

1.加熱に強い油を選ぶこと。
2.出来るだけ、出来立てを食べること。

また、加熱料理がおすすめな、油と相性の良い野菜があります。

「緑黄色野菜」は、油と一緒に摂ると、吸収率UP

ニンジン、ピーマンなどの緑黄色野菜の中に豊富に含まれているβ-カロテン(ビタミンA)は、脂溶性ビタミンといわれ、油があると、より吸収されます。

ですので、緑黄色野菜の栄養をムダなくとりたいときは、ぜひ炒めて、召し上がってみてください。

●未来カラダLABのおすすめ!「米油」

米油は、玄米から得られる「米ぬか」を原料として精製された油です。

玄米由来なので、栄養価も豊富で、脂肪酸のバランスも良く、また、繰り返し使用しても、劣化の度合いが、他の植物油よりも少ないという嬉しい特徴があるので、加熱料理にもおすすめの油です。

クセも少ないので、毎日使用するのに、向いている油です。

要注意!「加熱も、そのまま生もOKなサラダ油」は、万能な油?

そのままでも加熱しても大丈夫とされている油に、「サラダ油」があります。

身近にあるサラダ油ですが、どのような意味なのか、健康に悪いとされているのは何故なのか、見ていきたいと思います。

サラダ油とは日本独自の油で、「サラダにかけても食べられる油」という意味です。JAS規格で、油を0に保ち、5時間半経過した後でも、清澄である植物油とされています。

天ぷらや炒めものなどの加熱を前提とする油ですと、生野菜にかけるには精製度が足りないですし、冷えると固まったり、雑味が多く美味しくないということで、登場したのがサラダ油です。本来の油が持つ蝋(ろう)の成分が精製で取り除かれたサラダ油は0度でも白く濁らず透明でサラサラとしているのが特徴です。

現在、サラダ油として一般的に販売されている油の原料は、なたね、綿実、大豆、ゴマ、コーン、紅花、米などです。

サラダ油の原料はひとつに限らず、JAS規格で決められた基準を満たした植物油であればサラダ油と名乗ってもよいということになっています。このため、サラダ油といっても製品によって油の栄養価や特性も少しずつ違っています。

サラダ油は、加熱してもそのままかけても大丈夫、さらっとしていて使いやすい、オールラウンドに使える油とされています。

しかし、心配なところもあります。それはサラダ油の精製法です。

サラダ油は、「溶剤抽出法」という精製方法で、化学溶剤を加えて、蝋の成分を取り除いています。抽出に化学溶剤は、油の精製過程で蒸留によって、完全に取り除かれるので、製品に残ることはないとされていますが、マクロビオティックでは「精製されたもの」はカラダに負担がかかるので、出来るだけ避けたい食品としています。植物由来の油でも、精製度合いが非常に高いサラダ油には、注意が必要です。

おすすめの精製方法は、圧搾機で、非常に強い圧力と、熱をかけ、種子から油を搾り出す「圧搾法」という精製方法です。 

油を選ぶ際には、ぜひ精製方法もチェックしてみましょう。

※【補足】サラダ油市場は大変充実しており種類も豊富です。それぞれ特色のある商品が日々開発されています。前述のようなサラダ油の欠点を補うような開発努力もされているので、裏面の商品情報などシッカリ把握していただき、トータル的な視野で商品の選択をして頂ければと思います。

 

3.理想的な脂肪酸の摂取バランスとは

ここまで、おすすめの油をご紹介してきました。そして最後にお伝えしたいのが摂取する際のバランスです。理想的なオイルライフを送るために大変重要なポイントとなります。

私たちの食事に含まれる脂肪酸のバランスを見てみると、たいていオメガ6脂肪酸が多すぎて、オメガ3脂肪酸が不足していることが多いとされています。

オメガ6とオメガ3はどちらも必須脂肪酸です。つまり、私たちの体は食事から摂取する必要があります。 両方の脂肪酸には、それぞれ有益な性質がありますが、バランスをとる必要があります。

それは、オメガ3・6が、それぞれ正反対の性質を持っているからです。

オメガ3・6の主な作用を見てみましょう。

◎オメガ3の主な作用

アレルギー抑制・炎症抑制・血液さらさら

◎オメガ6の主な作用

アレルギー悪化・炎症促進・血液凝固

【オメガ3と6のおすすめバランス】

オメガ3:オメガ6=1:2

オメガ6の主な作用を見ると、カラダに良くないと思われるような内容が多いですね。

アトピー性皮膚炎などとも関係が深いと言われています。

それなのに、どうしてもオメガ6の方が過剰になりやすいので、いかにオメガ3を補えるかどうか、そのことが、ステキな未来カラダに繋げられるかどうかの鍵を握っていると言えそうです。

 

4.まとめ…My Best Oilを探そう!

カラダに良い油を、紹介してきました。気になる油は、ありましたでしょうか。

油は、味や香りなども、様々です。

自分の好きなオイルを探してみるのは、いかがでしょうか。

飽和脂肪酸やトランス脂肪酸は、出来るだけ控えて、代わりに、スプーン一杯、自分の好きなオメガ3系の油やMCTオイル・ココナッツオイルなど、良質な油を追加することを習慣化してみるのはいかがでしょうか。

サラダ以外にも、スムージーやソイヨーグルトなどに追加するのもおすすめです。

チャーハンのように、加熱料理も良いですが、酸化しやすいので、すぐに食べられない場合などは、温かいご飯に後から追加するのも、美味しいのでおすすめです。

また、外食の際は、どのような油を使用しているか分からない場合も多いので、ドレッシングなど、抜きに出来るものは、抜いてもらって、自分で持参したMy Oilを使用するのも良いかもしれないですね。

いかがでしたでしょうか。

前回の未来カラダLABの中で、良質な油がまさに「食べる美容液」、「食べるサプリメント」と表現した理由が、今回お分かり頂けたのではないでしょうか。

油はまさに、カラダの潤滑油。

ぜひ、賢く選んで、素敵な未来カラダに繋げて頂ければと思います。

 

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ライター:渡辺美穂
CHAYAマクロビフーズ 編集部 兼 営業部 / マクロビオティック セラピスト