健康を大きく左右する「油」。賢く選んで味方に付けよう!№①

油は選び方によって、カラダに及ぼす影響に、大きな差が出ることをご存知でしょうか。油は、種類も多いので、改めて学んでみようとすると、少し複雑で難しいと感じるかもしれません。しかし、その違いについて知っておくことは、より良い未来カラダのために、とても大切なことだと考えています。

今回は、【健康を大きく左右する「油」。賢く選んで味方につけよう!】をテーマに、お届け致します。

 


【目次】
①油との賢い付き合い方とは?
②まず、油を3つに分類してみます
③摂り過ぎ注意な油「飽和脂肪酸」
④毎日摂り入れたい良質な油「不飽和脂肪酸」 
⑤出来るだけ避けたい!危険な油「トランス脂肪酸」
⑥まとめ

①油との賢い付き合い方とは?
油は太るイメージが強いので、やみくもに避けてしまっている方も多いように感じますが、油には、大まかに言って、カラダに悪い油と良い油の2つが存在しています。

悪い油は、私たちの未来カラダにとっては大敵。たしかに、出来るだけ避けたい食品です。しかしながら、一方の良い油は、私たちの未来カラダにとって、必要不可欠です。それは、例えるなら、「食べる美容液」「食べるサプリメント」。

私たちとって重要な栄養素であるのはもとより、肌がきれいになったり、食べた際の満足感も高めてくれます。

 油との賢い付き合い方で大切なことは、油の種類を理解し、それぞれの特徴を把握し、カラダに不必要な油だけを避けて、良質な油は積極的に摂り入れられるように、知識を得ておくことです。油を味方にしてしまえば、より良い未来カラダが、グッと近づいてくるのです。

では、一つ一つ、出来るだけ分かりやすく、その理由をお伝えしていきましょう。

 

 

②まず、油を3つに分類してみます
油は、種類が多いので、カラダにとって、どの油を摂るべきなのか、また、摂らないべきなのか、大きく3つに分類していきたいと思います。

1.摂り過ぎ注意な油 ▲ 「飽和脂肪酸」
2.毎日摂り入れたい良質な油 ◎ 「不飽和脂肪酸」
3.出来るだけ避けたい! 危険な油 ×「トランス脂肪酸」

まずは、「飽和脂肪酸」といわれる油です。動物性の油で、ラード・バターなどが、代表的です。

2つ目の油は、「不飽和脂肪酸」という種類の油になります。植物や魚などに含まれています。

3つ目の油は「トランス脂肪酸」と呼ばれる油です。マーガリン・ファットスプレッド・ショートニングなどが代表的です。

最初にご説明しておくと、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いは、簡単にいうと体内に取り込まれたときに、溶けるか溶けないかという性質の違いです。そういう意味では飽和とは溶けずにカラダに蓄積しやすく、不飽和とは溶けて体外に排出されやすい油であるといえそうです。 


③摂り過ぎ注意な油▲ 「飽和脂肪酸」
飽和脂肪酸は、動物性の油で、例えば牛や豚などの脂の部分になります。

まず大きな特徴として、常温では固形な状態であるということです。(ラード、バターなど)

 

 

牛や豚などは、体温が人より高いので、お肉として人に食べられると、その脂肪が血液中で溶けずに残ってしまいます。対外にも排出されにくいので、どんどん溜まっていって、これが、人の脂肪の原因となり、中性脂肪やコレステロール値が高くなるのです。もちろん、エネルギーとして消費されるのですが、余分に摂りすぎた分の多くは皮下脂肪となり、栄養源として備蓄される傾向にあります。こうした特徴をしっかりと理解した上で、過剰摂取をしないよう、バランスを考えて頂きましょう。

④毎日摂り入れたい良質な油◎ 「不飽和脂肪酸」
不飽和脂肪酸は、植物や魚などの油になります。大きな特徴として、常温では液体の状態であるということです。人よりも温度が低い魚の油や、植物由来の油は、人の体の中に入っても溶けてしまいますので、残留してしまうことはありません。また、不飽和脂肪酸は、血流をサラサラにしてくれるという作用もあります。さらに、サラサラになった血液が、元々あった飽和脂肪酸を、体外に排出してくれるので、不飽和脂肪酸を適切に摂取することは、動脈硬化を抑えたり、心疾患などの予防につながるとして、注目されています。

 



⑤出来るだけ避けたい!危険な油「トランス脂肪酸」
実は、「トランス脂肪酸」は、植物油が原材料となっており、不飽和脂肪酸の仲間なのですが、性質は全く異なる(炭素と水素の結合の仕方が異なる)危険な油です。

常温で液体の植物油を、人工的に、固体または半固体に製造するときに、トランス脂肪酸が発生します。

これらは硬化油とも呼ばれる油で、植物油を高温で加工する技術である水素添加によって製造されたマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどが代表的です。

 

 

マーガリンを材料に使用して製造されたパンやケーキ、揚げ物などにはトランス脂肪酸が含まれます。また植物油を精製する工程では、同様にサラダ油などもそれに該当し、トランス脂肪酸が含まれています。

いかに、トランス脂肪酸をカラダに入れないようにするか。

トランス脂肪酸の摂取量が多いと、血液中のLDL(悪玉)コレステロールの増加と共に、HDL(善玉)コレステロールが減ってしまうことが報告されています。 欧米などでは、すでにトランス脂肪酸の規制があります。また、WHOは、トランス脂肪酸の摂取量の目標とは別に、2018年、加工食品を製造するときにできるトランス脂肪酸を減らすための行動計画(REPLACE)を公表しました。WHOは、各国の政府に対し、この「REPLACE」を使って、2023年までに、加工食品を製造するときにできるトランス脂肪酸を減らすよう呼びかけており、特に、部分水素添加油脂の食品への使用規制や、食品中のトランス脂肪酸濃度の上限値の設定を推奨しています。そして、こうした規制を導入する国は、近年増加しています。


⑥まとめ

カラダに良くない油が、身近にたくさん溢れています。しかし、「油を摂りすぎると太るし、摂取するのをやめよう」と、すべての油を排除してしまうことは、賢い選択とは言えません。カラダに必要な油まで、排除してしまうことになってしまいます。


カラダに必要な油を選択し、正しい摂り方、カラダに摂り入れることが、より良い未来カラダにとっては、とても大切なことなのです。良質な油は、たしかに高いかもしれません。しかし、化粧品などは、もっともっと高いのではないでしょうか。良質な油は、まさに、「食べる美容液」「食べるサプリメント」だと思うのです。意識をして選ぶだけで、手軽に始めることも出来ます。

次回は、おすすめの油の種類について、もう少し詳しいご紹介と、油の摂り入れ方(生食?揚げ物?)、オメガ3・6・9の摂取バランスについて、お届けしていきたいと思います。

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制作:チャヤマクロビ編集部